九州産業大学

国際交流センター Center for International Affairs

お知らせ

GLPの報告【GLPⅢBグローバル人材 福岡県商工部・西福製茶株式会社・株式会社博水 講演】

2023-07-27

GLPⅢ グローバル人材

 

6月20日(火)グローバルプラザにて、第5回の講義が行われました。

今回は、以下三名をお招きし、それぞれのテーマについて講義いただきました。

 

1.福岡県商工部 新事業支援課 参事補佐 中土真輝氏(以下「中土氏」)
「福岡県における企業のグローバル化支援について」

2.西福製茶株式会社 代表取締役社長 西宏史氏(以下「西氏」)
「西福製茶の海外販売戦略」

3.株式会社博水 江越雄大氏(以下「江越氏」)
「小さな会社でも世界に挑戦する」

 

1.「福岡県における企業のグローバル化支援について」(中土氏講義)

福岡県商工部新事業支援課では、福岡県の企業の海外展開支援を行っています。福岡県は「福岡アジアビジネスセンター」を設置し、福岡内の中小企業が積極的に海外展開できるように情報提供から現地サポートに至るまでワンストップで支援を行っています。他にも、海外バイヤーとの商談会を開催したり、スタートアップの海外展開支援を行ったりしています。

中土氏より、グローバル人材には「チャレンジ精神」、「柔軟性」、「明るくポジティブであること」の三つが求められると学生にアドバイスをいただきました。

 

2.「西福製茶の海外販売戦略」(西氏講義)

西福製茶株式会社(以下「西福製茶」)では、福岡県の八女茶を中心に九州のお茶の製造販売を行っています。元々は福岡での販売を中心としていましたが、食文化の多様化やライフスタイルの変化によるお茶の需要の減少や価格の低下に対応するため、九州、東京、沖縄、香港と販売展開を進めました。特に沖縄や香港での展開に成功し、市場の可能性を感じたことが海外展開を進めるきっかけとなりました。その後、西福製茶は様々な海外向けの展示会に出展し、そこで発見した自社商品の課題をもとに商品の改良を重ね、海外展開を進めています。他にも、日本茶のマーケットを広げることや日本茶のファンを増やすことを目的に、外国人向けの日本茶講座を開催したり、フレンチシェフとコラボしたりしています。

西氏より、これからの人材について「グローバルな感性」、「早い決断と行動力」、「自信と尊重」、「責任が取れること」が重要であると学生にアドバイスをいただきました。また、「可能性は無限大である」と激励のメッセージをいただきました。

講義の中で、西福製茶の高級茶「八女玉露」を学生に提供いただきました。

 

3.「小さな企業でも世界に挑戦する」(江越氏講義)

株式会社博水(以下「博水」)は、創業明治36年の120年続く練り物の製造販売を行う会社です。練り物といえば、かまぼこやちくわなどがあり、日本ではなじみのある食品ですが、日本人の魚離れや食文化の変化により、練り物の消費量は年々減少しています。しかし、近年は健康志向の高まりにより、手軽に魚食ができることやたんぱく質が豊富であることなど、練り物の良さが見直されています。その中で、博水は昔ながらの伝統は残しつつ時代に合わせた商品作りを目指し、SNSを活用したり、クラウドファンディングに挑戦したり、海外展開を行ったりしています。海外展開を行う背景には、国内人口の減少や海外での日本食人気の高まりなどがあり、博水はこれまでロサンゼルスやハワイ、タイなどの6地域に輸出しています。練り物は日本だけではなく様々な国が生産していますが、日本の伝統や文化を世界に広げるために海外での販売を行っています。

 

江越氏より、学生生活を有意義なものにするために、「学生なりに今できることに挑戦すること」、  「自分の目で見て感じて体験すること」が大切であると学生にアドバイスをいただきました。

〈学生の感想〉

西福製茶が日本と海外でのお茶の価値の違いを発見したように、海外展開では海外で何が求められているかを知る必要があると感じた。これは同時に、自分の強みを知ることに繋がるのではないかと考えた。 福岡県では海外展開の支援制度が整っているが、西福製茶や博水のように、支援されるだけでなく失敗を恐れず自ら挑戦することが大切であると考えた。