九州産業大学

国際交流センター Center for International Affairs

お知らせ

グローバル・リーダーシップ・プログラム(GLP)の報告

2021-08-02

GLPⅣ(海外インターンシップ)

6月24日(木)グローバルプラザにて、第10回目の講義が行われました。

今回は、株式会社双日九州の香田篤志代表取締役社長より、「商社の海外駐在(私の履歴書)」について

講演いただきました。

香田社長は、1980年に日商岩井(現双日)に入社し、1994年から1998年にドイツ・デュセルドルフ、

2006年から2009年にタイ・バンコクに海外駐在されていました。講演では、主に海外駐在時代の経験

について説明いただきました。

ドイツでは、当時ルール工業地帯に進出した鉄鋼メーカーを追いかけてきた日本企業が集結しており、

香田社長はポリカーボネートという合成樹脂(現在のCDやDVDの原料)の販売を担当され、アウトバ

ーンを自ら運転して走り、ヨーロッパ全域、国境を越えて営業していたと述べられました。

タイでは、インドから電化製品の部品を運ぶ仕事を担当し、双日グループの倉庫火災も経験された

そうです。ドイツとタイ、それぞれ親日であるものの、日本人に対する態度には違いがあり、接し方を

変えて仕事を進めていたそうです。

商社の仕事では人間関係が非常に大切であり、自身の知識には限界があるが、人との繋がりにより知識の

幅を広げることができると述べられました。さらに、株式会社双日九州は、地域との繋がり、横の繋がり

を大切にして事業を展開し、アジアや世界各国の玄関口として九州の地域経済や産業を発展させることが

できていると説明がありました。

また、英語やドイツ語の習得に苦慮した経験から、語学は勉強を続けること、日本人は遠慮しがちで

あるが、自信を持ち思い切って話すことが大切であると説かれました。

海外の方と会話する際には、「Yes & But」を意識し、始めから自己主張を強く行うのではなく、相手

の話を聞いた後で自身の意見を述べること、日本について語れる日本人であることが大切であると、

力強いメッセージをいただきました。

【参加学生感想コメント】

・グローバリゼーションにおける重要な点について

海外に事業展開をする際には「権限委譲」が非常に重要なことだとわかりました。特に多くの国に事業

展開するような企業では、それぞれの国の現地の人をトレーニングし、彼らが権限や責任を持って仕事

をこなせるようになることが効果的であると感じました。こうすることによって、現地で雇用を創出し、

技術を発展させることもでき、その地域のためにもなると思いました。

・SDGsに対する個人の姿勢について

私はSDGsについて学ぶ中で、個人の無力感からくる当事者意識の欠如に悩まされていました。しかし、

香田様の講義において、勉強して仮説を立て、身近なものに読み換えて取り組みを提案していくことが

重要であると学びました。今までは、自分がSDGsという大きな目標に寄与しなければならないと考えて

いましたが、実際にはSDGsに貢献するために行動するよりも、個人の身の周りの課題を解決することが、

SDGs達成にも繋がるということがわかりました。