九州産業大学

国際交流センター Center for International Affairs

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GLPの報告【GLPⅡ特別講義 国連ハビタット福岡本部 講演③】

2022-11-17

GLPⅡ 特別講義

11月1日(火)グローバルプラザにて、第7回の講義が行われました。

今回は、国際連合人間居住計画(以下「国連ハビタット」)福岡本部(アジア太平洋担当) の本部長     補佐官 星野幸代氏をお招きし、「国連ハビタットを通じた福岡の優れた技術の世界への普及」について、2つの柱で講義いただきました。

 

① 世界が直面する課題と国連ハビタットの関わり

世界には、自然災害、気候変動、貧困など様々な問題があり、安全で安心な家に住むことができない人々を救うために、国連ハビタットが創設されたことや、世界が抱える複合的な課題が最も弱い立場の人々に重くのしかかっている現状についてお話しいただきました。

 

② 九州の自治体や企業による技術協力の例

「ゴミ」と「水」の課題解決に向けた九州の自治体や企業による技術協力について説明いただきました。ネパールやインドネシアなどアジア地域が抱えるゴミ問題では、ゴミ山や投棄場の火災・崩落が増加していることや、ゴミを拾うことで生計を立てている「ウエスト・ピッカー」と呼ばれる人々がゴミ山の崩落等により、犠牲になっていることを教えていただきました。水問題では、水汲みは女性や子供の役割とされるため、教育を受けたり、働く時間を奪われたりする現状があり、女性や子供たちの教育・職業機会の向上のために、安全な水の安定供給が必要であることをお話しいただきました。

 

この二つの課題解決にローコストかつシンプルな技術でできる「福岡方式」が取り入れられています。 環境に優しく、現地の実情に合わせた取り組みが可能であることなど、多くのメリットがあり、世界の 複数の国々で取り入れられているそうです。「ゴミ」の課題解決では、福岡市から中古ごみ収集車を寄付するだけでなく、現地の人々にゴミ収集や管理の方法を教えたり、「水」の課題解決では、雨水貯水地下タンク『ためとっと』を導入したりするなど、持続可能な開発事業に取り組まれているそうです。

課題解決に向けての取り組みでは、現地で入手可能な資材で作り、現地の人々の力で守ることができる 持続可能な技術や方法を考えることが大切であると教えていただきました。

最後に、「皆さんの選択やこれから培う経験や専門知識が世界の多くの課題解決に貢献してくれることを願っています。」とメッセージをいただきました。

 

<学生の感想>

世界が直面する問題と国連ハビタットの仕事、そして九州の自治体や企業の技術協力の事例を学びました。自分の中では世界の貧困問題について知っていたつもりでした。しかし、ごみを拾うことを仕事にする人がいたり、家族のために自宅と川を10往復して水くみに行く少女もいたりするなど、改めて実情を聞くとやはり心苦しくなり現実を突きつけられたように感じられました。また、自分ごととしてこれらの問題を見つめると、教育を受けられることが当たり前ではないことになど、大切なことに気付くことができ、自分を俯瞰できる機会となりました。