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GLPの報告【GLPⅡ特別講義 九州産業大学商学部 土井一生教授 講演】
2022-10-20
GLPⅡ 特別講義
10月4日(火)グローバルプラザにて、第4回の講義が行われました。
今回は、商学部の土井一生教授をお招きし「経済のグローバル化とは」についてご講義いただきました。
講義では次の4つポイントに焦点を当て、それぞれの項目に関し事例を交えながら説明がありました。
1.「経済のグローバル化」の中の「グローバル化」という現象を改めて考えてみる
2. 企業にとって、「グローバル化」にはいかなる恩恵があるか?
3. グローバル化は目的か、それとも手段か?
4. 経済のグローバル化のゴールはどこに?
経済活動である「ヒト・モノ・情報」の移動(交流)が国境を越え活発になることにより、ビジネス チャンスが生まれ、企業自らの生存領域を選ぶことができていること、また多国籍企業のメリットとして、海外に展開する子会社とのネットワークで多国籍企業の強さである「移転能力(技術移転、資本の移転、人材の移転、知識の移転など)」があるからこそ、国内企業よりも優位に立てているが、その一方でグローバルな経済だからこそ起こる公害や貧困を移転させることにもつながっているとの説明がありました。
また、数名の経営学者による持論を例に挙げ、グローバル化そのものは良いことでも悪いことでもない。グローバル化は単なる現象であり、かつ進行中で定義する人によって意味するところが大きく異なるものであり、どのように適応していくかが課題であるとのことでした。
実は、グローバル化の可能性は考えるが、一般的に想定されているグローバル化にはなっておらず 「セミ・グローバルゼーション」であること、またグローバル化にはスピードが必要でありがながらも、一方では急速な環境の変化、経済の変化によって被害を受けマージナルな(貧困)社会を生む結果ともなっており、「スローバリゼーション」という言葉から生まれており、グローバル化という現象に警鐘を鳴らし始めている現状でもあることも説明されました。
さらに、利益を追求する企業にとって、どのようにグローバル化を読み取り「違い」に気づき、 その「違い」から如何にしてビジネスチャンスに活かせるか、また「弱さの克服」を如何にして「強さのカバー」になり得るか、全世界を制覇することだけがグローバル化ではなく、リージョナル(地域)企業として強みを出せるかも一論あるとのことでした。
講義中、学生同士でグループに分かれ意見を出し合う場面もあり、経営学の視点から経済のグローバル化を学ぶ貴重な機会となりました。